研究課題/領域番号 |
22591017
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
脇野 修 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50265823)
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研究分担者 |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40252457)
徳山 博文 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50276250)
田辺 由幸 岩手医科大学, 薬学部, 准教授 (10275109)
斉藤 麻希 岩手医科大学, 薬学部, 助教 (40365185)
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キーワード | 内科 / シグナル伝達 / 肥満 |
研究概要 |
[研究の目的と方法](1)GTP結合蛋白Rhoの標的分子であるRho-kinaseの肥満発症における意義を我々の作成した脂肪細胞特異的Dominant Negative Rho A遺伝子過剰発現マウスを用いてさらに検討した。(2)3T3-L1細胞を成熟脂肪細胞へ分化させた後、細胞に機械的伸展刺激を加え機械的進展刺激の脂肪細胞の表現型に及ぼす影響をマイクロアレイを用いて検討した、[結果](1)DNはWTと比較し脂肪組織内におけるストレスファイバーの発現が上昇していた、またアクチン染色陽性の脂肪細胞と陰性脂肪細胞の細胞面積を比較したところ、アクチン陽性脂肪細胞ほど脂肪細胞面積が大きいことが明らかとなった。(2)成熟脂肪細胞へ分化させたのち伸展刺激を加えるとサイトカイン、細胞周期、エネルギー代謝などにかかわる様々な種類の遺伝子の発現が変化した。特にadiponectineの低下、resistinの上昇が認められ、これら悪玉アディポサイトカインは細胞に対する進展刺激が調節因子となっている可能性が示唆された。さらに糖新生の鍵分子であるphophenolpyruvate carboxykinase(PEPCK)の発現の上昇も認められた。物理的進展刺激に伴う細胞内エネルギーの変化が示唆される結果であった。以上の分子変化は高脂肪食負荷マウスの脂肪組織においても認められた。[結論]脂肪組織の肥大化に伴うRho/Rho-kinase経路の脂肪組織での活性化は脂肪組織のストレスファイバーの活性化を引き起こし、線維組織の増加を引き起こす可能性が示唆された。脂肪細胞の肥大化は物理的進展刺激を介してサイトカインの発現に直接関与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成22年度まで当該研究に従事していた研究者が退職したため研究速度がやや低下している。
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今後の研究の推進方策 |
新たに参加した研究者も本研究の意義、実験の手技になれ、進捗度は上がると思われる。
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