A:マウスジェネティクスを駆使した白血病発症機構の解析 CBFb-MYH11コンディショナルノックインマウス及びRUNX1コンディショナルノックアウトマウスを用いた解析では、コンパウンドマウスCre Cbfb<+/56M>RUNX1<+/->複合マウスの白血病発症までの期間はCreCbfb<+/56M>RUNX1<+/+>より延長傾向にあり、。CreCbfb<+/56M>RUNX1<+/f1>複合マウスの白血病発症率は低下し、CreCbfb<+/56M>RUNX1<fl/fl>の白血病発症はなかった。Inv16白血病にRUNX1が要求されることが解明されたと考える。CBFb-MYH11のC端95aa欠損マウスを樹立したところ、急性白血病の発症はなく、成熟した好中球が増加し、MPN様病態を呈した。 B:CBF白血病特異的治療ターゲットの同定 RUNX1、HIPK2、p300、MN1、PML、MOZの白血病細胞増殖における機能解明では、RUNX1、p300、HIPK2、MN1のノックダウンにてヒトInv16白血病細胞(ME1細胞)及びヒトAML-ETO白血病(Kasumi-1細胞)はG2/M細胞周期停止の後、細胞は分化し、アポトーシスが誘導される事を確認した。HIPK2はRUNX1、p300、MOZ(HAT)リン酸化の責任因子と報告されていることから、最も細胞増殖に影響を与えることが予想されたが、HIPK2 RNAiにて予想通り強力な細胞増殖抑制が観察された。同時にRUNX1-Cbfb結合抑制剤、p300HAT抑制剤を細胞株に投与したところ、RUNX1コンプレックスの構成要素のタンパクレベルは著明に低下し、構成要素の抑制によりコンプレックスのStabilizationが低下することが判明した。
|