研究課題
PECAM-1はCD31とも呼ばれる130kDのimmunoglobulin superfamilyの接着分子で、内皮細胞と造血細胞に広範に発現する。2つのチロシンリン酸化部位ITIM領域を有し、細胞シグナル伝達を制御することが報告されている。慢性骨髄性白血病やPh陽性急性リンパ芽球性白血病を引き起こす融合型チロシンキナーゼBCR/ABL発現細胞において、BCR/ABLおよびSrcファミリーキナーゼがPECAM-1のITIM領域をリン酸化することを見いだした。ITIMのチロシンリン酸化によりSHP2が結合し脱リン酸化するとともに、Gab2とも複合体を形成し、細胞内シグナル伝達の制御に関与することが推察された。BCR/ABLチロシンキナーゼ阻害薬imatinib耐性変異E255KやT315Iはより強くPECAM-1をリン酸化した。BCR/ABL発現細胞にPECAM-1をを過剰発現することにより、Rap1/MEK経路の活性化と細胞接着を亢進し、imatinibやBCR/ABLチロシンキナーゼ第二世代阻害薬dasatinibによるmitochondria障害とcaspaseの活性化を介したアポトーシス誘導を抑制した。これらの結果よりPECAM-1はBCR/ABL陽性白血病において、薬剤耐性や白血病化の進展に関与していることが推察された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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