PNH型血球は、骨髄不全における免疫病態のマーカーとして有用であるものの、陽性細胞が少数の場合には判定に迷うことが多い。このため研究開始時には、各ドットにおける蛍光強度の数学的定量化を試みたが、日常臨床への適応は困難であった。抗GPIアンカー膜蛋白抗体の代わりにFLAREを用いることにより、PNH型血球の正確な定量化が達成された。PNH型血球が陰性でも免疫抑制療法が奏効する例があることから、さらに良いマーカーを探索したところ、血漿トロンボポエチン(TPO)値の高値が免疫病態と相関しており、PNH型血球陽性例を包含していることが明らかになった。したがって血漿TPOの測定は骨髄不全の病態診断に有用であることが示唆された。
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