【TFLの分子制御機構の解析】 TFLがC末端領域に有するZn motifを欠失させたベクターを構築した。それを用いて細胞周期・細胞内局在の検討を行いTFLによる変化が解除されるかどうかを検討している。またTFLの免疫沈降を行い、結合しているRNAからRT-PCRを行うことでTHLに結合するmRNAを検索中である。 【TFLノックアウトマウスの解析】 TFLノックアウトマウスは正常に生まれ、現在正常に成長を続けている。今後その表現型の解析を進めていく。さらにBCL2を過剰に発現しているトランスジェニックマウスとTFLノックアウトマウスを交配させることで、患者でおこった状況をマウス個体内で再現しリンパ腫を発生させるモデルを作成中である。 【マウスES細胞のリンパ球への分化誘導実験】 TFLがリンパ球のどの分化段階で発現してくるのかを検討するため、マウスのES細胞をリンパ球に分化させる実験を行っている。 【der(5;19)(p10;q10)転座切断点のFISH法による解析】 5番・19番染色体の動原体領域をカバーするプローブを赤・緑に標識して順次分裂細胞で2-color FISHを行い、正常染色体及びder(5;19)上のシグナルの強度を測定している。der(5;19)におけるシグナルの減弱の程度を定量的に評価し、症例ごとにalphoid DMAのどの領域に切断点が存在するかを同定する予定である。さらに造血器腫瘍の新規症例で見られた染色体異常を、FISH法・SKY法を用いて解析を進めている。
|