研究概要 |
まず、AML細胞株(K562, U937, Meg-01, CHRF-288, SET-2)を1%酸素濃度環境あるいは20%酸素濃度環境で抗癌剤(Daunorubicin, Idarubicin, Cytosine arabinside (AraC))を添加して培養すると、1%酸素濃度環境で培養した場合の方が、20%酸素濃度環境で培養した場合と比較してIC50が3~10倍高値を示すことをMTT-assayで明らかにした。次に、AML患者由来の新鮮白血病細胞(患者5例)を用いて同じ実験をした場合も、上記AML細胞株と同様に1%酸素濃度環境では、20%酸素濃度環境と比較して抗癌剤耐性になることをMTT-assayで明らかにした。更に、上記のAML細胞株及び患者白血病細胞を1%酸素濃度環境で培養すると、すべての白血病細胞においてHIF-1αの発現が亢進することをWestern-blotで明らかにした。次に選択的HIF-1α阻害剤であるRotenoneと上記抗癌剤を組み合わせて添加して培養したところ、1%酸素濃度環境下での抗癌剤耐性が解除されることを明らかにした。次に、上記のAML細胞株及び患者白血病細胞を1%酸素濃度環境で培養すると、すべての白血病細胞でBcl-2の発現が亢進することをWestern-blotで明らかにした。更に、Bcl-2に対するsiRNAを上記のAML細胞株に導入し、上記抗癌剤を添加して培養したところ、1%酸素濃度環境下での抗癌剤耐性が解除されることを明らかにした。
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