研究課題/領域番号 |
22591043
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 勉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40404602)
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研究分担者 |
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (90336389)
加藤 淳二 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20244345)
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キーワード | リンパ腫 / オートファジー / mTOR / 治療 |
研究概要 |
「研究の目的」悪性リンパ腫は未だ予後不良な血液悪性疾患のひとつであるが、予後を不良にする最大の原因は抗がん剤に対する抵抗性にある。抗がん剤はリンパ腫細胞にアポトーシスやネクローシスなどの細胞死を誘導する目的で使用されるが、このような従来型の薬剤とは一線を画する治療法が希求されている。そこで本研究では、アポトーシスやネクローシスなどの細胞死シグナルとクロストークしない自己融解型の細胞死、オートファジーを誘導する治療法を試みる。オートファジーの誘導にはmTORに対するsiRNAを用い、siRNAのデリバリーとB細胞リンパ腫のターゲティングには、CD19抗体で標識したsiRNA-PEG/KALA PECMシステムを開発する。 「平成22年度の業績」まずAmbion社製のsiRNA Target Finderを用いてmTOR siRNAのデザインを行った。複数の配列を選定してsiRNAを合成し、これらを各種の細胞株へ導入した。mTORの発現量をウエスタンブロット法で定量し,最も有効な配列を決定した。なお、siRNAの合成に際しては、その3'側をヘキシルアミンで修飾した。次に、mToR siRNA-PEG/KALA PECMの抗CD19抗体による標識を試みた。すなわち、mTOR siRNA 3'側のヘキシルアミンをSPDPで活性化、これをBiotin-PEG-SHのSH基とS-S結合させ、Biotin-PEG-mTOR siRNAを調整した。また、抗CD19抗体をビオチン化し、ストレプトアビジンを介してBiotin-PEG-mTOR siRNAのビオチンと結合させ、抗CD19抗体-PEG-mTOR siRNAを調整した。更に、電気的な相互作用により、陰性荷電のmTOR siRNAを陽性荷電のKALAペプチドで被覆した。そして、この抗CD19抗体標識mToR siRNA-PEG/KALA PECMのin vitroにおける効果を検討した。具体的には、まずCD19を高発現するB細胞リンパ腫細胞株、Namalwa細胞などを対象に、マウスIgG標識mTOR siRNA-PEG/KALA PECM(以下IgG-TOR)、マウスIgG標識scramble siRNA-PEG/KALA PECM (以下IgG-scramble)および抗CD19抗体標識scramble siRNA-PEG/KALA PECM(以下CD19-scramble)を陰性コントロールとして、抗CD19抗体標識mTOR siRNA-PEG/KALA PECM (以下CDl9-mTOR)のオートファジー誘導効果を検討した。 オートファジー誘導の判定は、ウエスタンブロット法によるLC3-IIの検出などにより行った。
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