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2011 年度 実績報告書

ヒトiPS細胞からの無フィーダー血球分化における血球貪食症候群類似状態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22591053
研究機関独立行政法人国立国際医療研究センター

研究代表者

佐伯 久美子  独立行政法人国立国際医療研究センター, 研究所・疾患制御研究部, 室長 (80322717)

キーワードヒトiPS細胞 / 血球貪食 / マクロファージ / インターフェロン / ヒトES細胞
研究概要

ヒトES細胞において確立した独自の好中球分化誘導法を駆使してヒトiPS細胞からの血液細胞分化誘導を検討したところ、マクロファージ主体となってしまった。しかし、分化誘導初期には骨髄系の前駆細胞(好中球の元になる細胞)は存在し、これをマクロファージが貪食していると思われる所見を得た。
このようなマクロファージによる血球貪食はヒトの疾患でも知られており、その培養系モデルとなる可能性を想定して分子機構の解析を試みた。昨年度と同様にI型インターフェロン(IFNα1、IFNα2、IFNβ1)の発現をRT-PCRにより解析したところ、やはり、ヒトES細胞では3株中1株のみで、ヒトiPS細胞では4株全てにおいて分化誘導に伴ってI型インターフェロンの発現が認められる事を確認した。未分化な状態ではヒトES細胞でもヒトiPS細胞でも発現はなかった。
以上のように、ヒトiPS細胞からの血球分化においてI型インターフェロン産生が高頻度である傾向を認めたが、ヒトiPS細胞でも培養条件(低密度培養)によっては好中球優位の分化が認められ、一方、ヒトES細胞でも株によってマクロファージ優位の分化が認められた。また、血球貪食との関係は明らかではなかった。
I型インターフェロンの発現の上流の機序として、dsDNAによるIRFの経路の活性化などが推定され、iPS細胞での現象としては興味深い。本年度は、IRF-3の関与が示唆される結果も得られた。しかし、現時点でも、血球貪食との関連が不明確であり、来年度の課題となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

血球貪食とI型インターフェロンの発現の関係が未だ不明であるため。

今後の研究の推進方策

今後はさらに詳細な発現解析などを行い、血球貪食やサイトカイン発現機構の分子機序の一端でも解明するよう努力する。
また、解析するヒトES細胞とヒトiPS細胞の種類を増やして検討を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Early senescence is not an inevitable fate of human-induced pluripotent stem-derived cells2011

    • 著者名/発表者名
      Gokoh M, et al
    • 雑誌名

      Cell Reprogram

      巻: 13 ページ: 361-370

    • DOI

      10.1089/cell.2011.0004.Epub2011Jun30

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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