p57KIP2遺伝子のメチル化はびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)のバイオマーカーとして有用であり、臨床に直結する研究が可能なことが大きな特徴である。当研究はDLBCL患者の血清中のp57KIP2遺伝子のメチル化が病態、治療効果、再発のモニタリングにおける有用性を検証する事を目的としている。 リンパ腫病変でp57KIP2遺伝子メチル化が陽性である症例は約80%で血清DNAにおいても陽性であった。予後因子として他の臨床指標との多変量解析では独立している傾向が認められた。伝子の血清DNAのメチル化は広くDLBCLに認められることが分かった。 臨床研究では以下の2点を明らかにする。(1)DLBCLの寛解導入療法における治療効果と血清p57KIP2遺伝子メチル化DNA量の減少・消失の相関関係(2)治療後の経過観察期における血清p57KIP2遺伝子メチル化DNAの再出現・増加と再発との相関関係。 実臨床に応用するため臨床試験のプロトコールを作成した。 今年度は症例登録を推進していく。
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