研究課題/領域番号 |
22591064
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
福留 健司 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50284625)
|
研究分担者 |
木本 雅夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (40153225)
常吉 直子 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (80336114)
|
キーワード | TLR / 血管内皮 / 敗血症 / アゴニスト / 抗体 |
研究概要 |
病原体の侵入を完治するセンサーとして主要な役割を担っているのがtoll-like receptors (TLRs)である。TLRsは様々な病原体分子パターンを認識して、免疫応答を誘導する。この中で、TLR4はグラム陰性菌の外膜成分であるLPSを認識することが知られているが、そのメカニズムは複雑である。 Lipopolysaccharide (LPS)は、TLR4ではなく、会合分子であるMD-2に結合することで、この複合体からのシグナル伝達を誘導する。また,TLR4/MD-2自体によるLPSの認識は効率的でなく、LPSが予めLPS-binding Protein (LBP)とCD14によってプロセスされることによって効率的な認識がなされる。CD14に関しては、血流中を循環している可溶型と細胞の表面に発言している膜結合型が存在する。TLR4/MD-2複合体は様々な細胞種に発現しているが、膜型のCD14の発現はマクロファージや単球に限られている。トランスフェクタントや培養細胞を用いた解析結果で、膜型のCD14が、LPSの細胞内への輸送や、TLR4からのシグナル伝達を増幅するラフト形成に必要なことが示唆された。そこで、TLR4/MD-2複合体に対するアゴニスト抗体を用いて、LPS応答における膜型D14陽性のマクロファージと単球、陰性の血管内皮細胞とB細胞の機能の違いを解析している。マクロファージ活性は膜型CD14に強く依存度している。LPSに対する感受性は非常に高いが、膜型CD14の恩恵を受けないアゴニスト抗体に対する反応は大きく低下する。これに対してCD14陰性のB細胞や血管内皮はLPSと抗体に対して同等に反応する。予想に反して、in vivoにおける炎症性のサイトカイン産生に関しては、両者の活性に大きな差異は認められなかったので、詳細な解析を行なっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LPSとアゴニスト抗体で、違いが検討できるので、結果の解釈しやすい。
|
今後の研究の推進方策 |
現行の解析を続ける。
|