研究課題/領域番号 |
22591065
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福島 卓也 長崎大学, 大学病院, 講師 (40336160)
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研究分担者 |
塚崎 邦弘 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40274659)
宮崎 泰司 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40304943)
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キーワード | ATL / 同種造血幹細胞移植 / HTLV-1プロウイルスDNA定量 / ATL細胞特異的クローン |
研究概要 |
2010年3月末までに長崎県内で同種造血幹細胞移植を施行した成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)78例について追跡調査を行ったところ、22例が長期生存していた(追跡調査した中で、臍帯血移植施行症例については治療成績をまとめ学会報告した)。 これら長期生存22例の末梢血リンパ球から1~2回、QIAamp DNA Blood Mini Kitを用いてDNAを抽出し、凍結保存が完了している。 そのうち3年以上の長期生存例について経時的にHTIV-1プロウイルスDNAの定量PCR法を施行したが、一時的にウイルス量が減少しても時間経過とともに再増加している症例がほとんどで、現時点でHTLV-1プロウイルスDNAが検出限界以下となった症例は出現していない。 しかし長期生存例は全て完全寛解を維持している。そして3年以上の長期生存例のうち、数例においてリンパ球より中止したDNAをインバースPCR法にて増幅後、産物をABI PRISM BigDye Terminatorでシークエンス反応させ、ABIPRISM3100で解析し、DNA配列を決定した。 そして新たにATL細胞特異的なプライマーを設定してPCRを行った。 現時点では8例ともATL細胞特異的クローンは検出されていない。 現在も同種造血幹細胞移植症例は蓄積しており、新たな症例および現在追跡中の長期生存例についても上記の行程が進行中である。また対象症例の臨床データも収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
長崎県内の移植症例を集積しているが、遠隔地であるため検体の収集がやや遅れている。また研究代表者が2012年4月から琉球大学医学部保健学科血液免疫検査学講座教授にとして転出することになっており、同地での新たに実験系を構築する必要が生じ、若干の研究進行の遅れが予想される。
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今後の研究の推進方策 |
検体をさらに収集し、また臨床データも蓄積して解析を進め論文化を図る予定である。また先述した研究代表者の施設異動に伴い、早急に実験系の構築をはかり研究を推し進めたい。ただ沖縄県においてもATLに対する同種造血幹細胞移植は施行されており、症例の積み重ねが期待される。
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