研究課題
研究の目的Allograft-inflammatory factor-1(AIF-1)はラットの心移植に伴う慢性拒絶反応において移植片局所に浸潤するマクロファージから検出された分子である。本研究の主な目的は、AIF-1が単核球に誘導する分子のmRNAの網羅的解析をMicroarrayにより行い,AIF-1の生化学活性を検討した上で、関節リウマチなどの免疫疾患における病因的意義を解明し、これら疾患の治療薬の開発につながる知見を得ることにある。本年度の結果健常人の末梢血より得られたCD14陽性細胞にリコンビナントAIFでCD14陽性単核球にする発現するmmRNAを網羅的に解析した結果、IL-6を含むサイトカインやケモカインの数種類の遺伝子誘導が明らかになった。現在、ELISA法により蛋白レベルで解析中である。また、慢性GVHDマウスモデルは、強皮症と同様の臨床的、病理的特長を伴う皮膚の硬化を起こすが、この慢性GVHDマウスモデルでは、皮膚硬化病変で、皮膚の硬化部位に一致し、IL-6、AIFの発現増強が示された。AIFの病因的な役割として、リコンビナントAIFの添加によりヒト培養線維芽細胞でのIL-6の産生のほか、線維芽細胞の走化性が示され、AIFのケモカイン的な作用が判明した。
すべて 2011
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Immunology Letters
巻: 135 ページ: 144-150