研究課題/領域番号 |
22591090
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
古川 宏 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 遺伝子診断・治療研究室, 室長 (00372293)
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研究分担者 |
當間 重人 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), リウマチ性疾患研究部, 部長 (50207528)
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キーワード | SAP / 遺伝解析 / SLE |
研究概要 |
国立病院機構相模原病院に通院中で、本研究への協力に同意したSLE患者より採取した血液からFicollを用いて末梢血単核球(PBMC)を分離する。これよりゲノムDNAとtotal RNAをTrizolにより抽出する。相模原病院職員59人を健常人対照とした。これまでに相模原病院に通院・入院中のSLE95例のゲノムDNAおよびPBMC由来のDNA,RNAを収集した。都立駒込病院・北里大学・横浜南共済病院・帝京大学・国立病院機構九州医療センター・国立病院機構姫路医療センター・国立病院機構盛岡病院・都立多摩総合医療センターでもすでにSLE 261例のゲノムDNAを収集し、現在も続けて収集中である。横浜市立大学付属市民総合医療センターにても倫理審査申請が承認され、今後検体採集を行う予定である。 抽出されたゲノムDNAからSAP遺伝子の一塩基多型(SNP)のタイピングを行った。これまでに30例のゲノムDNAからダイレクトシークエンス法により新規SNPを探索した。相模原病院および、共同研究を行っている筑波大によるSNPタイピングでSLE506例健常人330例の遺伝子型を決定し、ハプロタイプ・連鎖不均衡ブロック・タグSNPを決定した。この結果よりSAP遺伝子のイントロンに位置するSNPと挿入欠失多型(DIP)がSLEと関連することが明らかになり、20歳以下発症SLE例と抗DNA抗体陽性SLE例ではより強い関連がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SLE症例のDNA検体採集は順調に進み、症例数を増やすことにより、SAP遺伝子とSLEとの関連を確実に示すことができた。この結果より、遺伝子発現と多型の関係の解析に発展させたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの研究で示された疾患と関連するSNPが遺伝子発現に関わる多型であるかどうかを明らかにする。ルシフェラーゼアッセイや、リアルタイムPCR法を用いて遺伝子発現と多型の関係を解析するとともに、SAP遺伝子やその他のX染色体上に位置するSAP関連遺伝子についてもDNAメチル化解析を行う。SAP選伝子の発現解析は、SLEの男女比の偏りを部分的にも説明できる可能性があると考えられる。
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