国立病院機構相模原病院に通院中で、本研究への協力に同意したSLE 患者より採取した血液からFicoll を用いて末梢血単核球(PBMC)を分離する。これよりゲノムDNA とtotal RNA をTrizol により抽出する。相模原病院職員59人を健常人対照とした。これまでに国立病院機構相模原病院に通院・入院中のSLE 患者95 例のゲノムDNA およびPBMC 由来のRNA を収集した。都立駒込病院・北里大学膠原病感染内科・横浜南共済病院・帝京大学内科・横浜市立大学付属市民総合医療センター・国立病院機構九州医療センター・国立病院機構姫路医療センター・国立病院機構盛岡病院・都立多摩総合医療センターからSLE 患者179例のゲノムDNAを収集済みである。 抽出されたゲノムDNA からSAP遺伝子の一塩基多型(SNP) のタイピングを行った。これまでに約30 個体のゲノムDNA からダイレクトシークエンス法により新規SNP を探索した。相模原病院と筑波大学によるSNPタイピングでSLE394例健常人330例の遺伝子型を決定し、ハプロタイプ・連鎖不均衡ブロック・タグSNP を決定した。この結果より、SAP遺伝子にあるrs2049995が発症年齢にかかわらずSLEと関連することが明らかになった。また、リアルタイムPCR 法とルシフェラーゼアッセイを用いてrs2049995がSAP遺伝子発現に及ぼす影響を解析した。rs2049995の疾患感受性アレルはSAP遺伝子の発現を上げると考えられた。
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