1)ヒト末梢血サンプル中での骨髄由来免疫抑制性細胞(Myeloid-derived suppressor cells : MDSCs)の同定とガレクチン9投与後の機能解析 【方法】間質性肺疾患患者(ILD群、n=5)と健常人(HV群、n=3)の末梢血からFicoll-Paque密度勾配遠心法により末梢血単核球(PBMC)を分離回収し、5×10^5/mlに調整した。このPBMCをPBS(未刺激)あるいはガレクチン9(30ng/ml)、LPSて30ng/ml)で24時間培養しFACS解析にてHLA-DR(-)CD33(+)MDSCsの定量(平均±SD)、並びにELISA法で培養上清中のTNF-α定量を行った。【結果】PBS投与では、HV群:5.93±2.91%、ILD群:3.20±0.94%、LPS投与では、HV群:3.95±1.04%、ILD群:2.21±1.32%であり刺激にかかわらずMDSCsのSCsの割合は変化を認めなかったが、ガレクチン9投与下では、HV群:10.62±2.92%、ILD群:2.374±0.51%でありHV群で有意なMDSCs分画の増加を認めILD群のガレクチン9に対する反応性低下が示唆された。一方、培養上清中のTNF-α発現量は、PBS投与に比較してLPS投与ではHV群、ILD群いずれも有意な上昇を認めたが、ガレクチン9投与下では、HV群:624.5±244.7ng/ml、ILD群:149.3±254.5ng/mlであり、ILD群で産生能が低下する傾向を認めた。【結語】以上の末梢血の解析結果から、ILD群ではガレクチン9に対する機能的変化が誘導されている可能性が考えられた。今後、ILDの解析症例数を増やし、未治療・既治療群間の比較や臨床経過との関連性を検討する予定である。
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