研究概要 |
1ヒト末梢血サンプル中での骨髄由来免疫抑制性細胞(Myeloid-derived suppressor cells : MDSCs)の同定とガレクチン9投与後の機能解析 健常人や肺障害患者末梢血PBMCをガレクチン9存在下で24時間刺激を行うと単核球分画中の2-10%程度にHLA-DR(-)CD33(+)のMDSCが検出された。PBMCに占めるMDSCsの割合は健常群:10.62±2.92%、肺障害群:2.74±0.51%であり健常群で有意なMDSCs分画の増加を認め肺障害群のガレクチン9に対する反応性低下が示唆された。しかしその後の解析で、FACSによる検出にばらつきが生じ、結果の再現性は乏しいと判断した。 2肺障害に対する血液浄化療法(PMX-DHP)の症例集積・治療効果や臨床検査所見の解析と血液細胞のサンプリング 平成23年度は、急性呼吸不全を呈し治療抵抗性の肺障害10症例に対してPMX-DHP療法を施行し、これまでの症例と合わせて合計35症例の解析を行った。30日生存群(n=23)と非生存群(n=12)の2群間では、PMX-DHP療法施行前のSOFAスコア(3.6±1-6 vs 4.9±1.8,p<0.05))や血清LDH値(369±97U/L vs 561±271U/L,p<0.05))やKL-6値(1521U/mL±1341 vs 3177U/mL±4158,p<0.05)に有意差を認め、予後規定因子となることを確認した。
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