研究概要 |
1)ヒト末梢血液中のplasmacytoid DC(pDC, HLA-DR+ CD123+)とmyeloid DC(mDC, HLA-DR+ CD11c+)の同定とガレクチン9投与による機能解析 健常人や肺疾患群としてサルコイドーシス患者由来のPBMCをガレクチン9投与下で刺激培養しpDCやmDCを誘導し反応性の違いを比較検討した。未刺激下では、健常人(pDC 3.6±3.1 %, mDC 14.7±4.1 %)に比してサ症群(pDC 0.9±0.6 %, mDC 7.2±4.6 %)でその割合は低い傾向にあった。一方、ガレクチン9刺激下では、健常群で(pDC 1.3±1.1 %, mDC 19.8±8.3 %)、サ症群(pDC 0.3±0.03 %, mDC 13.7±10.4 %)であり、ガレクチン9によるpDC誘導抑制とmDC誘導亢進を認めたが、両群間に反応性の違いは認めなかった。 2)ヒト末梢血中のplasmacytoid DC様マクロファージ(pDC like Mφ, PDCA-1+ B220+ CD86+)の同定 未刺激下では、健常群で 7.5±3.7 %、サ症群で 10.6±3.8 %のpDC like Mφを同定した。ガレクチン9刺激下では、健常群はpDC like Mφの誘導抑制(6.1±4.4 %)、サ症群は誘導亢進(11.1±6.0 %)が観察された。さらに、サ症のBALF中でも回収細胞中の 14.8 ± 6.3 %にPDCA-1+ B220+ CD86+の pDC like Mφを認め、この割合はBALF中のCD4/CD8比と負の相関(R=-0.71)を示した。 以上の結果から、疾患群ではガレクチン9刺激によるDC誘導における反応性が異なっていたが、疾患群におけるカレクチン9の作用機序やpDC like Mφの役割についてはさらなる検討が必要である。
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