研究課題
(1)LRG KOマウスの作成:LRGのin vivoでの機能を解析するにはLRG KOマウスの作成が重要である。平成22年度においてヘテロKOマウスの作製が完了したが、その交配からKOマウスが得られなかった。この原因としてKOマウスが胎生致死である可能性が考えられ、現在、コンディショナルKOマウスの作成を進めている。(2)LRGのin vitroでの機能解析:LRGは血液中に分泌されるタンパク質であり、平成22年度の実験の結果、LRGがある種の細胞内シグナル伝達経路を活性化することが明らかになってきている。しかしながら、LRGの受容体や結合タンパク質はこれまで全く不明であった。そこで精製LRGタンパク質を細胞表面に作用させ、蛋白をクロスリンクさせた後に蛋白を回収し、LRGとともに共沈する結合タンパクを質量分析計で同定した。同定した蛋白から有力候補となる膜蛋白をすでに選定ずみであり、この候補蛋白が実際にLRGと結合するかどうか、受容体として機能するかに関して現在検討中である。(3)LRGの炎症における機能の解析:腸炎モデルマウスや関節炎モデルマウスを用いた解析の結果、マウス血清LRGはヒトLRGと同様に炎症によって発現が増加することが明らかになった。また、その産生は肝臓のみにとどまらず、炎症を起こした臓器において上昇することが明らかになっている。現在準備中のLRG KOマウスの作成と繁殖が終了すれば、KOマウスに関節炎や腸炎などを誘導し、LRG欠損によって病状がどのように修飾されるかを明らかにすることで、LRGの疾患病態における関与を明らかにする。
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Investigative Ophthalmology and Visual Science
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