研究課題/領域番号 |
22591102
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平潟 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50238341)
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研究分担者 |
矢野 寿一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20374944)
新井 和明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 研究補助員 (30547386)
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キーワード | アシネトバクター / 細胞侵入性 / 培養細胞 / gentamicin killing assay / 血液培養 / 病原性 |
研究概要 |
東北大学病院および関連施設にて臨床分離されたアシネトバクターおよびインフルエンザ菌を対象として、細胞侵入性について検討した。 使用した細胞は呼吸器由来の細胞であるBEAS-2B(ヒト正常気道上皮)細胞を使用した。細胞培養により細胞モノレーヤーを作成し、収集したアシネトバクターおよびインフルエンザ菌を接種し、一定時間感染させた。感染後、gentamicinにて細胞外に存在する菌を殺菌し、Triton-Xにて培養細胞を破壊した。これを寒天平板培地にコンラージすることで細胞内に侵入した菌数をカウントし、侵入率を算出した(gentamicin killing assay)。 その結果、血液培養陽性検体から分離されたアシネトバクターは、喀痰や尿などの血液培養以外の検体から分離された株と比較して、細胞侵入率が有意に高いことが判明した。一方、インフルエンザ菌についても、約半数の株が侵入性を有していた。 すなわち、アシネトバクターおよびインフルエンザ菌について、株により侵入能の差異があることが明らかとなった。また、血液培養から分離されるアシネトバクターは、高い侵入性を有していることから、病原性の高い株が敗血症などより重篤な疾患を発症させやすいことが示唆された。
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