研究概要 |
本症の血小板減少機序として本症の急性期におけるデングウイルス(DV)がヒト骨髄中の巨核球に特異的に感染し、アポトーシスを誘導し、結果的に末梢血血小板減少を惹起していることを確認するため、ヒト骨髄穿刺液の残余サンプルを用いて試験を行った。その結果、骨髄細胞にDV感染が成立し、培養上清中にウイルス産生を確認した。感染細胞の同定までには至っていない。 IFNレセプター(R) KOマウスにデングウイルスを感染させ、デングウイルスの組織親和性を確認した。デングウイルスは血清、脾臓に次、骨髄中でも検出した。標的細胞はCD11b(+), CD11c(+)細胞を中心に細胞に感染おり、myeloid(骨髄)系細胞が標的であることを確認した。この系では血小板減少につながる巨核球へのウイルス感染は未確認であり、また感染成立から致死までの日数が早いことから明確な血小板減少症は確認していないが、改変デングウイルスを用いた実験では赤血球の造血異常(低下)を観察している。これらの結果は、ウイルス感染によって活性化したマクロファージにより、骨髄中で他細胞の貪食が起こっている可能性を示唆している。
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