研究課題
Cryptococcus neoformansの分泌蛋白ならびに細胞壁表層に存在する蛋白分子をSST法で網羅的に検索しこれらを標的とする抗体作製を行い、C. neoformans持続(潜伏)感染菌のin vitro検出系の開発や重症感染症への治療応用の可能性の検討を目的とした。検討対象は液体培養C. neoformans株を用いたSST法での発現数が最も多かったクローン(CnSST-1)とし、このCnSst-1pに対するモノクローナル抗体作成を共同研究で行った。方法として、Balb/cマウスを用い 、免疫原にはCnSST-1とMPL遺伝子との融合遺伝子を導入、発現させたBa/F3細胞、細胞免疫原は1×106~2.5×106cells/回にて免疫した。ミエローマ細胞と融合し、得られたハイブリドーマをHAT培地にて選択した。その後、免疫原に対する反応性をフローサイトメトリにより検証した。結果として、この方法で計6クローンのモノクローナル抗体(A-F)を得ることができた。得られた抗体について、感度、特異度を検討したところ、抗体E、抗体Bについては感度は高いが特異性が低く、一方抗体A、抗体Dは特異性は高いが感度がやや低い結果であった。このCnSst-1pの局在、分泌状況を細胞壁、培養上清ついて検出したところ、両者からも検出され、実際に分泌されていることが確認された。またこれら抗体を組み合わせて、ELISA検出系の構築を行ったが、いずれの組合せの検討でも非特異的な結合が極めて強い結果であった。さらに、得られたモノクローナル抗体のクリプトコックス菌体の発育に与える影響を、マイクロプレート培養にて検討したところ、6クローンすべてで低濃度(2μg/well)、高濃度(20μg/well)のいずれでも発育に与える影響は認められず、CnSst-1pは菌増殖能への関与が低いことが推測された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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