研究課題/領域番号 |
22591117
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研究機関 | 富山県衛生研究所 |
研究代表者 |
滝澤 剛則 富山県衛生研究所, ウイルス部, 部長 (40192158)
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キーワード | ノロウイルス / 疫学 / 感染性胃腸炎 / 遺伝子変異 |
研究概要 |
本年度は、まず平成23年の集団発生事例11事例中4事例から、また、1月~12月の間に毎月1回採取した下水流入水中5回の検体から検出されたGIL.4の亜型解析を行った。いずれの検体でも、シーズン前半は2006b亜型が検出され、シーズン後半は2009a亜型が検出された。したがって、前者から後者へとGII.4の流行株が置き換わっていることが判明した。また、下水の検体は、流行の変化をよく反映しているものと考えられた。 一方、集団発生事例からはあまり検出されないが、下水から多く検出されていたGI.4について検討したところ、本年は5月の下水から1回検出されたのみであり、GI.4の地域内浸潤状況が変化していることが考えられた。 次に、2003年以降に事例から検出されたGIL.3について、カプシドとポリメラーゼ領域間での組換えの有無を解析したところ、それらは主にポリメラーゼ領域がGII.10または12、あるいはGIIbとの組換え体であることが判明した。GII.3は2005/06、2009/10シーズンに比較的多く検出されており、2005/06シーズンはGII.10または12とGII.3との組換え体、2009/10シーズンはGIIbとGII.3との組換え体が主に検出され、組換え体がこれら流行の主流であったことが判明した。今後、これまでに下水流入水から検出されているGII.3の解析を行い、事例と比較することにより、GII.3の地域浸潤の状況がより詳細に把握できるものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
下水と集団発生事例とから検出されたノロウイルスを比較したところ、新たな組換え体が複数検出され、ノロウイルスが変異を繰り返し、感染を引き起こしている可能性が示唆されたため。`
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今後の研究の推進方策 |
PCR産物のダイレクトシークエンスのみでは、新たな変異が一部に発生しても、微量である場合は見逃す可能性が高いため、PCR産物の遺伝子配列を網羅的に解析できる方法を検討する。
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