てんかん発作が発達期脳へ与える影響について明らかにするため、皮質形成異常を有する遺伝子改変モデル動物(Cdk5cKOマウス)を用いて、その神経病理所見を解析した。Cdk5cKOマウスでは、けいれん発作の出現に伴い神経変性を生じ、マイクログリアの活性化を伴っていた。PPARγアゴニストである抗炎症薬ピオグリタゾンを投与すると、グリア細胞の活性化は抑制され、神経変性は軽減された。このように、てんかん発作に関連する神経変性に対して、炎症抑制が神経保護効果を示すことが明らかとなった。この結果は、てんかん性脳症の治療において、抗炎症薬の効果を検討する研究が重要となることを示唆するものであった。
|