研究課題
(1)はじめに:脊髄性筋萎縮症(SMA)患者に残存しているSMN2遺伝子の発現の程度が病気の重症度を決定すると考えられている。SMN2遺伝子のプロモーターには少なくとも2種類のプロモーターが存在する。本研究は、それぞれのプロモーターの特徴を明らかにし、新しい治療法の開発を目指すものである。(2)塩基配列の差異:SMN2遺伝子のプロモーターには、 c.-318 GCC 挿入多型を有するタイプ(PAC125D9タイプ)と、c.-318 GCC 欠失多型を有するタイプ(PAC125D15タイプ)が存在する。この多型領域にはCREBサイトが存在することから、cAMPに対する反応性の検討が重要であると考えられた。(3)転写活性解析:PAC125D9タイプ特異的塩基配列、PAC125D15タイプ特異的塩基配列を蛍光蛋白リポーター(ルシフェラーゼ)・ベクターに挿入したコンストラクトを作成し、それぞれのベクターを培養神経芽細胞に導入し、それぞれの転写活性を比較した。その結果、PAC125D9タイプの転写活性は、PAC125D15タイプの転写活性よりも低いことが明らかになった。cAMPに対する反応性を検討するために、Bt2cAMP、フォルスコリンを添加したが、この傾向は変わらなかった。(5)結論:c.-318 GCC 挿入多型はSMN2遺伝子の転写活性を低下させ、c.-318 GCC 欠失多型はSMN2遺伝子の転写活性を上昇させることが明らかになった。このことは、SMN2遺伝子の転写活性にかかわる薬剤の種類や量を、c.-318 GCC 挿入・欠失多型の有無によって変える必要があることを示唆している。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)
Annals of Human Genetics
巻: 77 ページ: 未定
Genet Test Mol Biomarkers
巻: 16 ページ: 123-129
DOI:10.1089/gtmb.2011.0109
Brain Dev.
巻: 34 ページ: 213-222
DOI: 10.1016/j.braindev.2011.04.010
Pediatr Int.
巻: 54 ページ: 81-85
DOI: 10.1111/j.1442-200X.2011.03457.x
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 419 ページ: 368-373
DOI:10.1016/j.bbrc.2012.02.030
Neonatology
巻: 102 ページ: 75-80
DOI:10.1159/000337833.
Clin Lab.
巻: 58 ページ: 507-514
巻: 54 ページ: 602-612
DOI: 10.1111/j.1442-200X.2012.03646.x.
巻: 54 ページ: 934-936
DOI: 10.1111/j.1442-200X.2012.03602.x.