研究概要 |
本年度は、インスリン抵抗性についての解析と、小児肥満の頻度についての調査を行った。 【in vivo研究】 a)インスリン感受性 高度なインスリン抵抗性を示すアルストレーム症候群患児について、PPARγの作動薬であるインスリン抵抗性改善薬の投与が、インスリン基礎値、HOMA-Rにどのような影響を与えるかについて解析した。ピオグリタゾン投与前後で、インスリン基礎値は、87→14μg/mlへ、HOMA-Rは、17,2→3.5へと著しい改善を認めた。メタボリックシンドロームを含む小児単純性肥満への減食療法を実施し、活動量計による消費エネルギーの多少とインスリン抵抗性との関連について、予備調査を実施した。 【in vitro研究】 a)インスリン作用の障害部位の推定 本年度は、患者と正常の皮膚線維芽細胞(分化誘導後前駆脂肪細胞)で、インスリン刺激による糖取り込みにかかわる分子群のリン酸化を観察するための生化学実験を行うための基礎的検討を加えた。 【コホート研究】 米子市の小学生・中学生の年齢の小児全員に対して、学校検尿での尿糖陽性者に対して糖負荷試験を実施し、インスリン分泌とインスリン抵抗性の指標を調査した。 一般小児集団9,194名の中の小児肥満の頻度について、性別・身長別の標準体重を用いて予備調査を実施し、男では、15歳で10.1%、女では、13歳で9.1%の肥満頻度であることを示した。
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