研究概要 |
インスリン感受性についてのin vivo解析と小児肥満と遺伝子多型の関連について調査を行った。 【in vivo研究】インスリン感受性 アルストレーム症候群患児について、インスリンとIGF-1への反応性の差異を検討した。インスリン0.1U/kg/dose,ivによるPG低下率は16.8%、IGF-1 0.2mg/kg/dose,scによるPG低下率は39.7%であり、インスリンへの感受性低下とIGF-1でのPG降下作用の保持が確認された。PPARγの作動薬であるインスリン抵抗性改善薬の投与が、インスリン基礎値、HOMA-Rにどのような影響を与えるかについて解析した。ピオグリタゾン投与前後で、インスリン基礎値は、87→14μg/mlへ、HOMA-Rは、17.2→3.5へと著しい改善を認めた。 Leprechaunism患児については、FPG41mg/dl,血中IRI6,702mU/mLと著明なインスリン感受性低下を示したが、IGF-1 1.0mg/kg/dayの持続投与により、IRI/glucose比の有意な低下を示した。 【コホート研究】遺伝子多型 肥満小児145名(男104、女41、年齢11.1+-3.4歳、BMI28.1+-6.0,肥満度+57.7+-25.7%)と、肥満小児36名(男22、女13、年齢10.7+-4.2歳、BMI27.5+-4.8,肥満度+59.2+-21.0%)のコホートについて、それぞれ、β3アドレナリン受容体(3βAR)、メラノコルチン4型受容体(MC4R)、PPARγについての遺伝子多型と肥満関連表現型との関連解析を行った。3βARについてはTrp64Arg多型を、MC4Rについては、肥満小児145名ではIle69Ser,Gly98Arg,Val103Ile多型を、肥満小児36名では遺伝子全長のシークエンスを、PPARγについては、pro12Ala,Pro115Gln,His(C)478His(T)多型を解析した。内臓脂肪面積は、His(C)/His(T)群で有意に高値であったが、意義については今後の検討が必要と考えられた。
|