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2012 年度 実績報告書

熱性痙攣の発症分子機構の解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22591130
研究機関岡山大学

研究代表者

井上 拓志  岡山大学, 大学病院, 医員 (80572990)

研究分担者 大守 伊織  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20403488)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード二酸化炭素吸入療法 / 呼吸性アルカローシス
研究概要

発熱でけいれんが誘発されるてんかん患者において、電位依存性ナトリウムチャネルをコードするSCN1A遺伝子変異が高率に検出されている。SCN1A遺伝子変異を伴い発熱誘発けいれんをもつラットが開発された。本研究ではこのラットを用いて、熱性けいれんが発症する分子病態基盤を解明するとともに、新規治療法の開発を目指す。以下の研究成果を報告する。
(1)血液ガス分析: 熱性けいれんが誘発された直後は、アルカローシスと二酸化炭素分圧の低下が認められ、呼吸性アルカローシスが生じていた。野生型と比べ、Scn1a遺伝子変異ラットでは、より軽い呼吸性アルカローシスで熱性けいれんが誘発された。
(2)二酸化炭素吸入療法: 5%二酸化炭素含有ガスでは、有意な発作持続時間の短縮を認めなかったが、10%二酸化炭素含有ガスでは、強力な抑制効果を認めた。発作抑制後の血液ガス分析では、10%二酸化炭素含有ガスの場合に、有意な二酸化炭素分圧の上昇、pHの低下が認められた。本研究課題によって、Scn1a遺伝子変異に関連した熱性けいれん感受性は、呼吸性アルカローシスに対する高感受性に基づく神経の過剰興奮である可能性が示唆された。この病態を補正する二酸化炭素の吸入で発作が抑制できることを示した。
SCN1A遺伝子変異をもつてんかん患者では頻繁に熱性けいれんが誘発され、かつ遷延しやすいため、小児救急医療を要請することが多い。コメディカルや家族が使用できる安全かつ即効性のある治療法の確立が望まれていおり、二酸化炭素吸入療法は、新たな治癒法として期待される。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Inhalation of 10% carbon dioxide rapidly terminates Scn1a mutation-related hyperthermia-induced seizures.2013

    • 著者名/発表者名
      Ohmori I
    • 雑誌名

      Epilepsy Research

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      doi:pii: S0920-1211(13)00016-8. 10.1016/j.eplepsyres.2013.01.003.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High-frequency EEG oscillations in hyperthermia-induced seizures of Scn1a mutant rats.2012

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi K
    • 雑誌名

      Epilepsy Research

      巻: 103 ページ: 161-166

    • DOI

      doi: 10.1016/j.eplepsyres.2012.07.020.

    • 査読あり
  • [学会発表] 乳児期の外的脳障害により West 症候群を発症した3例2013

    • 著者名/発表者名
      井上拓志
    • 学会等名
      第 43 回中国・四国点頭てんかん研究会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20130323-20130323
  • [学会発表] ミトコンドリアDNA 13513G>A変異を有するLeigh脳症の1例2012

    • 著者名/発表者名
      井上拓志
    • 学会等名
      第 115 回日本小児科学会学術集会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20120421-20120421

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公開日: 2014-07-24  

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