研究課題/領域番号 |
22591132
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
福田 光成 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (80274330)
|
研究分担者 |
鈴木 由香 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座准教授 (00304634)
江口 峰斉 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50420782)
田中 潤也 愛媛大学, プロテオ医学研究センター, 教授 (70217040)
|
キーワード | 熱性痙攣重積 / 内側側頭葉てんかん / 海馬硬化症 / ラット / 温熱誘発痙攣 / てんかん原性 / 炎症性サイトカイン / 幼弱脳 |
研究概要 |
本年度は「中枢神経系サイトカインが熱性痙攣重積後の海馬硬化症発症に影響を及ぼすのか」という本研究の最終目的を達成するため、その基本となる実験系の開発を行った。 1:幼弱ラット温熱誘発痙攣重積モデルの開発 これまで我々が使用してきたラット温熱誘発痙攣モデルは環境温を一定に保つことが困難であったため、環境温を一定に保つことができるエアサーモを用いて実験系の改修を行った。具体的にはプラスチッククベース内の環境温を40.5-41.5℃内に保つようにし、日齢10-11の雄性幼弱ラットを留置した。温熱誘発痙攣が発生してから25分間持続して温熱負荷を続け、安定した温熱痙攣重積発作モデルを作成することに成功した。発作の確認はRacing分類に基づいて2人の研究者で目視により行い、深部脳波記録を用いた生理検査での裏付けも行った。ラットの体温については5分毎に直腸温を測定し、39.8-41.6℃に持続的に維持することができた。 2:二次性てんかん原性獲得の評価 幼弱期に温熱誘発痙攣重積を発生させたラットを用いて、成人期(日齢70)にGalic等の方法を用いて二次性てんかん原性獲得の評価を行った。具体的には日齢70に達したラットにカイニン酸15mg/kgを腹腔内投与し痙攣が出現するまでの時間(SOT:seizure onset time)を測定した。痙攣出現の確認はRacingの分類に基づいて行った。その結果は温熱誘発痙攣重積群のSOTは93±2分(平均±標準偏差)であり、対照群の89±8分と有意な差を認めなかった。 3:中枢神経系サイトカインが二次性てんかん原性獲得に与える影響 上記のモデルを用いて、日齢10および11に炎症性サイトカインの投与を行った。具体的にはIL-1βおよびTNF-αを使用し、各々500ngを点鼻にて投与した。この結果はH23年5月以降に得られる予定である。
|