研究概要 |
脊髄性筋委縮症II型の患者さんからインフォームドコンセントを得て、皮膚生検を行い、培養皮膚線維芽細胞を確立した。培養皮膚線維芽細胞に治療量のバルプロ酸Na(VPA),塩酸アマンタジンを加え1から3日間培養し、これらの薬剤を加えない培養細胞(コントロール)とからtotal RNAを抽出した。total RNAからRT-PCR法にてcDNAを作製した。SMN2 cDNAのコピー数の解析は私たちがすでに使用している方法であるTaqmanプローブを用いたReal-time PCR法を用いた。PCRの増幅のためにSMN2-FおよびSMN2-Rプライマーを用い、SMN2 probeは5'末端をEAMで3'末端をTAMRAで標識したプローベを用いた。内部標準はHuman GAPDHを用い、Taqman Universal PCR Master Mixを使用し、7500 Real Time PCR System (ABI)装置にて解析した。コントロール培養細胞のSMN2 transcript (mRNA)を1copyとすると、塩酸アマンタジンを加えて1日培養したSMN2 transcriptは1,7copyと軽度増加を示した。VPAを加えて1日培養したSMN2 transcriptは2,7copyと約3倍に増加していた。VPAを加えて3日培養したSMN2 transcriptは1.2copyと正常コントロールと変わらなかった。2年目はVPAと塩酸アマンタジンを加えた培養細胞のSMN2 transcriptのcopy数と培養細胞のSMN蛋白量の解析を行う。
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