研究課題
基盤研究(C)
レット症候群は主に女児で進行性精神発達遅滞を呈する疾患で、X染色体上のMeCP2遺伝子(MeCP2)の変異が主因である。既に、MeCP2欠損マウスはRTT様の症状を発症することが示されており、その詳細な解析が進められている。しかし未だMeCP2欠損によるRTT病態の発症メカニズムは不明であり、発病メカニズムの解明、治療法の確立が切望されている。本研究はMeCP2欠損マウス由来のRTTモデルiPS細胞を樹立し、その神経細胞分化能、更に分化誘導した神経細胞の機能評価を行うことで、MeCP2欠損によるRTT発症メカニズムを解明し、治療薬探索や再生医療、遺伝子治療技術を応用した治療法の開発を目的としている。そこでRTTモデル(MeCP2欠損)マウスの尾部線維芽細胞を単離・培養後、山中4因子(Oct3/4,Sox2,Klf4,c-Myc)を導入してMeCP2を欠損するiPS細胞の樹立を試みた。その結果、種々の未分化マーカーを発現するWTとMeCP2欠損iPS細胞クローンを少なくとも4クローンずつ得る事に成功した。また、神経系(種々の神経細胞やグリア細胞)の組織分化誘導方法として、Stromalcell-derivedinducingactivity法や胚様体の形成、レチノイン酸による分化誘導法を利用し、RTTモデルiPS細胞における神経細胞の分化誘導に成功した。現在、上記の方法により分化誘導した、RTTモデルiPS細胞由来神経細胞の電気生理学的な特性や、詳細な分化マーカーの発現を解析し、正常な神経細胞との違いを解析することで、RTTの病態メカニズムの解析を続けている。
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