研究課題/領域番号 |
22591148
|
研究機関 | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
内木 康博 独立行政法人国立成育医療研究センター, 内科系専門診療部, 医員 (20470007)
|
研究分担者 |
小野寺 雅史 独立行政法人国立成育医療研究センター, 成育遺伝研究部, 部長 (10334062)
深見 真紀 独立行政法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 室長 (40265872)
勝又 規行 独立行政法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 室長 (10260340)
|
キーワード | 先天性副腎皮質過形成 / 21水酸化酵素欠損症 / 遺伝子治療 / 線維芽細胞 / ウィルスベクター / 小児内分泌 |
研究概要 |
本研究目的は先天性副腎皮質過形成で、特に頻度の高い21水酸化酵素欠損症を対象としCyp21a1遺伝子欠損マウスを用いて遺伝子治療モデルを開発することである。今回我々が用いるCyp21a1遺伝子欠損マウスはその自然発生の遺伝子欠損のためにステロイド生合成に必要な21水酸化酵素活性が失われており、前駆物質であるprogesteroneが血中に蓄積して、代謝物であるdeoxycorticosteronとcorticosteronが減少している。本年度我々は研究協力者より提供されたヘテロ欠損マウスと野生型マウスによる凍結受精胚をマウス胎内に移植し出生させ、出生後PRCを用いてヘテロ遺伝子のキャリアマウスか否かをタイピングを行った。タイピングによってCyp21a1ヘテロ欠損と同定されたマウス同士を交配してホモ欠損マウスを作成し、生下時からステロイドを投与することで成獣になるまで生存させ、6週齢で採血しステロイド代謝物を測定したところ、deoxyoorticosteronがまったく産生されておらず、前駆物質であるprogesteroneが血中に蓄積していることを確認した。我々はすでに野生型マウスから初代培養して得られた線維芽細胞にレトロウイルスベクターを用いて、通常では線維芽細胞では発現してないCyp21a1遺伝子を発現させ、培養液中に添加したprogesteroneが21位水酸化を受けてdeoxycorticosteronに代謝されるのを確認した。現在Cyp21a1遺伝子ホモ欠損マウスの新生児期に線維芽細胞採取し、初代培養を行っており、これが得られたら同様にして培養液中に添加したprogesteroneが21位水酸化を受けてdeoxyoorticosteronに代謝されるのを確認する予定である。次年度はCyp21a1遺伝子を発現した繊維芽細胞をCyp21a1遺伝子欠損マウスに皮下もしくは腹腔内に戻して、血中に過剰に蓄積したprogesteroneを副腎外で代謝させてdeoxycorticosteronを経てcorticosteronを合成することを血中のprogesterone、deoxycorticosteron、corticosteron測定することで確認し、治療の有効性を検証する予定である。
|