研究課題/領域番号 |
22591162
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
江口 真理子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40420781)
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研究分担者 |
江口 峰斉 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50420782)
石井 榮一 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20176126)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | MLL / ES細胞 / 造血細胞分化 / 白血病 |
研究概要 |
MLL融合遺伝子が造血細胞の分化・増殖に与える影響についてマウスES細胞の系を用いて検討を行った。Chicken-beta-actin (CAG) プロモーター下にMLL-AF4を発現する発現ベクターを作製し、恒常的にMLL-AF4を発現するマウスES細胞株を樹立した。このMLL-AF4を発現するES細胞が造血細胞へ分化する過程を詳細に検討した。MLL-AF4を高発現するマウスES細胞は、分化開始6、7日後に認められる造血幹細胞を含むTie2+/c-kit+の細胞群がコントロールと比較して有意に減少しており、さらにTie2+/c-kit+細胞の前駆細胞であるFlk1陽性細胞も減少していた。これら造血幹細胞系統への分化が阻害されている代わりに、Pdgfr-alpha陽性細胞が増加し、間葉系細胞への分化傾向が認められた。 MLL-AF4発現ES細胞をcollagen I等でコートした培養ディッシュで培養すると2-3週間程度でCD45+B220+の造血細胞が出現することから、MLL-AF4発現ES細胞の造血細胞への分化能は完全に喪失しているのではなく、適度な条件下では造血細胞へ分化する能力を有していることが示された。これらの結果から、MLL-AF4を発現するマウスES細胞は間葉系細胞への分化傾向を有するが、未分化B細胞への分化能も保持しており、この細胞に何らかの“2nd hit“が入ることで血液細胞への分化が起こり、白血病化をきたすのではないかと考えられた。 白血病化に必要な付加的遺伝子異常を同定するために、MLL-AF4発現ES細胞をTie2陽性細胞に分化させた段階でレトロウイルスベクターにより挿入変異を起こさせた後に免疫不全マウスに移植した。現在までのところ免疫不全マウスに明らかな白血病の発症は認めておらず、MLL-AF4だけでは腫瘍化しないことが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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