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2012 年度 実績報告書

MLL融合蛋白による腫瘍化過程の解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22591162
研究機関愛媛大学

研究代表者

江口 真理子  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40420781)

研究分担者 江口 峰斉  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50420782)
石井 榮一  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20176126)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードMLL / ES細胞 / 造血細胞分化 / 白血病
研究概要

MLL融合遺伝子が造血細胞の分化・増殖に与える影響についてマウスES細胞の系を用いて検討を行った。Chicken-beta-actin (CAG) プロモーター下にMLL-AF4を発現する発現ベクターを作製し、恒常的にMLL-AF4を発現するマウスES細胞株を樹立した。このMLL-AF4を発現するES細胞が造血細胞へ分化する過程を詳細に検討した。MLL-AF4を高発現するマウスES細胞は、分化開始6、7日後に認められる造血幹細胞を含むTie2+/c-kit+の細胞群がコントロールと比較して有意に減少しており、さらにTie2+/c-kit+細胞の前駆細胞であるFlk1陽性細胞も減少していた。これら造血幹細胞系統への分化が阻害されている代わりに、Pdgfr-alpha陽性細胞が増加し、間葉系細胞への分化傾向が認められた。
MLL-AF4発現ES細胞をcollagen I等でコートした培養ディッシュで培養すると2-3週間程度でCD45+B220+の造血細胞が出現することから、MLL-AF4発現ES細胞の造血細胞への分化能は完全に喪失しているのではなく、適度な条件下では造血細胞へ分化する能力を有していることが示された。これらの結果から、MLL-AF4を発現するマウスES細胞は間葉系細胞への分化傾向を有するが、未分化B細胞への分化能も保持しており、この細胞に何らかの“2nd hit“が入ることで血液細胞への分化が起こり、白血病化をきたすのではないかと考えられた。
白血病化に必要な付加的遺伝子異常を同定するために、MLL-AF4発現ES細胞をTie2陽性細胞に分化させた段階でレトロウイルスベクターにより挿入変異を起こさせた後に免疫不全マウスに移植した。現在までのところ免疫不全マウスに明らかな白血病の発症は認めておらず、MLL-AF4だけでは腫瘍化しないことが確認された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Suppression of the let-7b microRNA pathway by DNA hypermethylation in infant acute lymphoblastic leukemia with MLL gene rearrangements2013

    • 著者名/発表者名
      Masanori Nishi
    • 雑誌名

      Leukemia

      巻: 27 ページ: 389-397

    • DOI

      10.1038/leu.2012.242

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 同種造血幹細胞移植後にドナー細胞由来の骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病を発症した小児白血病の検討2013

    • 著者名/発表者名
      徳田桐子
    • 雑誌名

      日本小児血液・がん学会雑誌

      巻: 50 ページ: 43-49

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リンパ球機能異常と類縁疾患 原発性免疫不全症候群 Ataxia-telangiectasia2013

    • 著者名/発表者名
      石前峰斉
    • 雑誌名

      別冊日本臨床 新領域別症候群シリーズ 血液症候群(第2版) その他の血液疾患を含めて II

      巻: 22 ページ: 288-292

  • [学会発表] Developmental impact of MLL-AF4 fusion gene on early hematopoietic stem cells

    • 著者名/発表者名
      石前峰斉
    • 学会等名
      第74回日本血液学会
    • 発表場所
      京都
  • [学会発表] X-linked chronic granulomatous disease in a young female due to skewed inactivation of the X-chromosome

    • 著者名/発表者名
      八木千裕
    • 学会等名
      第74回日本血液学会
    • 発表場所
      京都
  • [学会発表] 播種性病変を認めたDesmoplastic infantile astrocytomaの1例

    • 著者名/発表者名
      徳田桐子
    • 学会等名
      第54回日本小児血液・がん学会
    • 発表場所
      横浜
  • [学会発表] Munc13-4ミスセンス変異による学童期発症FHL3型の症例

    • 著者名/発表者名
      中野直子
    • 学会等名
      第54回日本小児血液・がん学会
    • 発表場所
      横浜

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公開日: 2014-07-24  

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