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2010 年度 実績報告書

胎児型横紋筋肉腫に認めた新規融合遺伝子の機能解析と病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22591166
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

土屋 邦彦  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (90381938)

研究分担者 細井 創  京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (20238744)
家原 知子  京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (20285266)
キーワード横紋筋肉腫 / 融合遺伝子 / 分子標的療法 / PAX3-NCOA2 / PAX3-FKHR
研究概要

小児で最も頻度の高い軟部悪性腫瘍である横紋筋肉腫は、組織型として胞巣型と胎児型に大別される。胞巣型横紋筋肉腫の5年生存率は50%以下で予後不良である。胞巣型では、PAX3-FKHR、PAX7-FKHRの二つの融合遺伝子が同定されており、腫瘍化に寄与していることが明らかになりつつある。一方、胎児型において特定の融合遺伝子は今まで確認されていない。今回、我々は胎児型の症例で認められた複雑な染色体転座を解析し、新規融合遺伝子PAX3-NCOA2を同定した。本融合遺伝子の機能解析を行い、特にPAX3-FKHRとの差異、共通点について検討し、依然予後の極めて不良なPAX3-FKHR陽性横紋筋肉腫の病態、ひいては横紋筋肉腫発生における分子機構を解明することを目的とする。
マウスの筋芽細胞(筋細胞の起源となる細胞)にPAX3-NCOA2やPAX3-FKHRタンパクを強制的に発現させて検討した。融合遺伝子タンパクを発現した細胞は増殖能がいずれも高くなったが、PAX3-FKHRを強制発現した筋芽細胞はPAX3-NCOA2を強制発現した筋芽細胞に比べて、増殖能が高かった。PAX3-FKHR、PAX3-NCOA2強制発現筋芽細胞は、ともに筋細胞への成熟が起こらなかった。PAX3-NCOA2はPAX3-FKHRに比べて弱いものの横紋筋肉腫の発生に関与することが証明された。
PAX3-NCOA2遺伝子の発現頻度や予後に与える影響は、未知であり、これを明らかにしていくことで新しい分子生物学的診断、層別化治療マーカーとなりうることが示唆された。

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公開日: 2012-07-19  

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