研究課題/領域番号 |
22591167
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
森本 哲 自治医科大学, 医学部, 教授 (30326227)
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研究分担者 |
中村 幸恵 自治医科大学, 医学部, 助教 (20382955)
早瀬 朋美 自治医科大学, 医学部, 助教 (50433587)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ランゲルハンス細胞組織球症 / 未熟樹状細胞 / 破骨細胞 / osteopontin / integrin |
研究概要 |
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は、未熟樹状細胞の性質を持つLCH細胞が異常に増殖し組織破壊を起こす疾患である。病変は骨、皮膚、リンパ節、中枢神経など多岐にわたる。肝・肺・造血器などの機能不全をきたし死亡する例が約5%、再燃する例が約50%、尿崩症などの不可逆的病変を残す例が約15%あり、有効な治療法の開発が望まれている。LCHを含む炎症性骨疾患では、未熟樹状細胞が効率的に破骨細胞に分化し、組織傷害に重要な役割を果たすことが示唆されている。しかし破骨細胞への分化が促進される機序については明らかではない。そこで、破骨細胞の活性化に重要であり、LCH細胞に多量に発現しているosteopontin(OPN)に着目し研究を行った。LCH患者の血清中OPN濃度は、予後不良である多臓器型LCHで有意に高いこと、LCH病変部位にOPN受容体α9β1を発現する細胞があることを確認した。健康成人の単球由来未熟樹状細胞をRANKL/M-CSFで刺激し破骨細胞に分化させると、培養早期から、培養細胞のOPN mRNAおよび培養上清中のOPN(全長型・切断型とも)濃度は著しく上昇した。破骨細胞への分化の過程で、全長型OPN受容体であるCD44およびintegrin αVがTRAP陽性CD1a陰性細胞に、切断型OPN受容体であるα9β1がTRAP陰性CD1a陽性細胞に発現がみられた。siRNAを用いOPNの発現を阻害したところ、未熟樹状細胞から破骨細胞への分化が抑制された。全長型と切断型OPNの受容体への結合を、それぞれの結合モチーフペプチドを用いて阻害したところ、切断型OPNの結合阻害によって、未熟樹状細胞から破骨細胞への分化が阻害された。以上よりOPN、特に切断型OPNは、未熟樹状細胞から破骨細胞の分化に大きな役割を果たし、かつ、LCHの病態に関連していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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