研究課題/領域番号 |
22591170
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
鶴澤 正仁 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90172064)
|
研究分担者 |
堀 壽成 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (20308943)
堀部 敬三 独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター・臨床研究センター, センター長 (30209308)
|
キーワード | ALL / MRD / RQ-PCR |
研究概要 |
平成23年には46例のMRD解析を行った(再発ALL23例、再発リンパ腫2例、乳児白血病21例)再発ALLは全例がB cell precursor ALLで、Ph+ALLが1例、再発部位の内訳は骨髄再発19例、髄外再発2例、中枢神経再発1例であった。再発リンパ腫は骨髄再発1例、髄外再発1例。 再発例おいてMRDスクリーニングが完了した21例中MRD再構成ターゲット検出例は19例(90.5%)で2例が検体不足であった。検体は21例中骨髄18例、組織(精巣)1例、髄液1例、心嚢液1例で、検体不足は精巣組織と髄液の2例。検出可能であった骨髄検体中の芽球比率は90%以上6例、50~89%5例、50%未満は3例で、最低値は13%。検出された再構成ターゲットの総数は61で、その内訳はIgH 19(31.1%)、Igκ12(19.7%)、TCRγ12(19.7%)、TCRδ11(18.0%)、TCRβ7(11.5%)であった。症例ごとの検出可能な再構成ターゲット数は3個以上が14例、2個が4例、1個が1例であった。MRD定量が完了した症例は10例で、その定量感度は10^<-4>以下9例、10^<-3>未満10例で、10^<-3>以上はなかった。定量値は10^<-3>未満7例、10^<-3>以上は2例であった。乳児白血病については現段階では再構成スクリーニングのみが行われ、完了19例中13例でターゲットの検出が可能で、うち6例では2個以上の再構成が検出できた。 これらの結果より小児再発ALL、再発リンパ腫における腫瘍細胞のIg/TCR遺伝子再構成は90%を超える高い頻度で検出が可能であり、十分な検体が得られれば芽球比率に関わらず複数の再構成を検出できる可能性が高いことが示された。またMRD定量においては、RQ-PCRの導入により定量感度10^<-4>以下90%という高感度での定量が可能であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年にも順調に多数例のMRD解析を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は同一症例で初発時と再発時、または初回再発と2回目再発のMRDクローンの解析症例を増やしてクローンの変化の有無と予後の関連解析を進める予定である。
|