研究概要 |
本年度、われわれは小児リンパ系腫瘍において、PCRによるMRD定量を日本小児白血病・リンパ腫研究グループ(JPLSG)における治療研究に沿って施行し、以下の結果を得た。 1.再発ALL研究(R-08II:本年11月現在で計12例について解析を行い、除外例2例、解析中の症例4例、解析不能例1例で、MRD定量が完了した症例は5例であった。それらの定量感度は10-5 3例、10-4 2例で、ターゲットとして使用した再構成はIgH4例、TCRδ1例、また定量結果は陽性4例、陰性1例であった。 2:T細胞性ALL研究 T-11計46例について解析を行い、除外例1例、解析中の症例17例、解析不能例10例で、MRD定量が完了した症例は18例であった。それらの定量感度は10-5 15例、10-4~10-3 3例で、ターゲットとして使用した再構成はTCRβ8例、TCRγ6例、TCRδ4例、また定量結果は陽性3例、陰性15例であった。3:再発T細胞性ALL研究(RT-11)RT-11では1例解析した結果、解析不能であった。4:初発時と再発時の免疫関連遺伝子再構成クローンの変化と治療反応性との関連5例の再発ALL症例の初発時と再発時の遺伝子再構成クローンを調べた結果、同一再構成例は3例で相違例は2例であった。同一例①治療終了後16か月で再発Igκ/Igκ 寛解継続中、②治療終了後2か月で再発Igκ/Igκ 死亡, ③治療中に再発TCRγ/TCRγ 寛解継続)相違例 ①治療終了後8か月で再発、IgH/TCRγ 寛解継続、②治療終了後9で再発, TCRγ/TCRγ 死亡)
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