研究課題
本研究は、メソトレキセート(MTX)、6-MPといった抗がん剤の感受性を左右するとされるDNAミスマッチ修復(DNA mismatch repair, MMR)の異常が小児血液腫瘍でどのように分布するのか、その詳細を明らかにすることを目的としている。具体的には、(1)小児血液腫瘍におけるDNAミスマッチ修復(MMR)異常(急性リンパ性白血病および非ホジキンリンパ腫において、MMR異常がどのように分布するかを明らかにする。)、(2)腫瘍のMMR statusとMTX、6-MP感受性との関係(後方視的検討より両者の関係を明らかにする。)について、研究を進める。初年度のH22年度は、このうち急性リンパ性白血病につき、約30例の症例の蓄積と骨髄細胞などの試料標品の集積した。腫瘍細胞におけるMMR異常は、マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability,MSI)により解析可能であるため、さらに、これらの試料標品から、MSI解析に供するための染色体DNAを抽出した。H23年度は、これらの標品に対してMSI解析をおこなった。大変興味深いことに、少ない症例数の解析にもかかわらず、MSI陽性、すなわちMMR異常を示唆する解析結果が少数の症例で見出されてきた。現在、これらの症例における抗がん剤治療への反応性について、解析をすすめている。
3: やや遅れている
非ホジキンリンパ腫について、症例の蓄積と試料標品の集積がおくれている。
診療担当者らよりの一層の協力を得、解析対象となる症例規模を拡大し、観察の普遍性を問いたい。
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