研究概要 |
ヒト糸球体腎炎はウイルス感染を契機に発症,または増悪することが知られているが詳細な分子病態学的な機序は不明である.この機序の解明を目的とし,ヒト培養腎メサンギウム細胞 (MC)を用い,ウイルス疑似感染を惹起する polyinosinic-polycytidylic acid(poly IC)を刺激因子として発現する各種炎症分子群とシグナリング経路を検討した.Poly IC はMC 上に細胞表面の受容体である Toll-like receptor (TLR) 3 と細胞内受容体の Retinoic acid-inducible gene-I (RIG-I)/melanoma differentiation-associated gene-5 (MDA5)の発現を誘導し,これらの受容体を介した各種炎症関連分子群の活性化が示された.今後,これらの炎症経路の選択的抑制が新たな治療選択となる可能性がある.
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