研究課題
現時点までに登録され、検索が行われた検体は以下の通りである。1)両側性高度感音性難聴平成21年度は13名、平成22年度も13名の両側性難聴児が見つかっている。平成23年度はまだ集計作業中である。高度両側性感音性難聴児のうち、検査の同意が得られた5名のうち1名の臍帯からCMV DNAが検出され、先天性CMV感染と診断された。HHV6 DNAは検出されていない。2)先天性水頭症平成21年度は8名、平成22年度は7名、平成23年度は6名の先天性水頭症の患者が登録された。現在検査を行うための同意を得る段階である。3)難治性てんかんWest症候群の登録数は8名になった。現時点で先天代謝スクリーニング濾紙血または臍帯からCMV DNAが検出されたのは2名である。HHV6 DNAは検出されていない。4)広汎性発達障害32名の広汎性発達障害児の保護者から同意を得て、先天代謝スクリーニング濾紙血検体または臍帯を入手し、29名分についてDNAを抽出し検索を行ったところ、2名からCMVDNAが検出された。HHV6 DNAは検出されていない。現在論文投稿準備中である。5)精神運動発達遅滞現在ご家族からの協力が得られるように説明環境を整えているところである。6)子宮内胎児発育遅滞これまでに40例以上が登録され、そのうち3例で先天性CMV感染と診断された。HHV6 DNAは検出されていない。
3: やや遅れている
疾患対象を増やして、当初計画していなかった子宮内胎児発育遅滞例についての検討が行われ、すでに先天性CMV感染例を有意に多く発見するという成果も見られるが、当初予定していた精神運動発達遅滞例に関しては協力を得るための説明環境の構築に手間取っており、まだ登録ができていないため。
特に精神運動発達遅滞例の検討を進めていく上で、施設のスタッフがあまりに多忙で研究について説明し同意を得るための時間が取れないでいる。詳細な説明は研究担当者が行い、施設スタッフにはその導入の部分だけ関わってもらうなどの工夫をすることで、登録数を増やしていきたい。
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Bulletin of World Heath Organization
巻: 89 ページ: 127-136
臨床と微生物
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周産期医学
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