現時点までに登録され、検索が行われた検体は以下の通りである。 1)両側性高度感音性難聴:平成21-23年度にかけて約40名の両側性難聴児が見つかっている。このうち高度感音性に相当するものの最終確認が行われている。この他、他の県で里帰り分娩した後長崎県に戻ってから高度感音性難聴が判明した児2名について、先天性CMV感染が確定している。HHV-6 DNAは検出されていない。 2)先天性水頭症:平成21-23年度にかけて約20名の先天性水頭症の患者が登録された。現在までに検査を行うことができた10名のうち1名に先天性CMV感染が確定している。HHV-6 DNAは検出されていない。 3)難治性てんかん:過去にWest症候群として登録された患者のうち協力の得られた患者5名について検討し、先天代謝スクリーニング濾紙血または臍帯を入手して検索したところ、2名からCMV DNAが検出された。HHV-6 DNAは検出されていない。 4)広汎性発達障害:長崎県立子ども医療福祉センターおよび長崎県自閉症・発達障害支援センター、さらに長崎市障害福祉センターの協力により、32名の広汎性発達障害児の保護者から同意を得て、先天代謝スクリーニング濾紙血検体または臍帯を入手し、29名分についてDNAを抽出し検索を行ったところ、2名からCMV DNAが検出された。HHV-6 DNAは検出されていない。 5)精神運動発達遅滞:全県的な協力体制の元に、前方視的および後方視的な研究のプロトコールが完成し、着手するところである。
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