研究課題/領域番号 |
22591199
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高桑 徹也 京都大学, 医学研究科, 教授 (40244933)
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研究分担者 |
山田 重人 京都大学, 医学研究科, 教授 (80432384)
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キーワード | ヒト胚子 / 発生 / 形態形成 / MR顕微鏡 / 3次元画像 |
研究概要 |
ヒト器官形成期に発生する先天異常の解明のために、京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センターが保持している器官形成期のヒト胚子を用いて撮像したMR断層画像1200例を用いて、データの加工、解析を進めた。ソフトウエアOsiriXを用いて2種類のレンダリング手法(VR,MIP)を用いて三次元胚子像をコンピューター上に作製した。こうして得られたコンピューター画面上の胚子は、詳細な観察に耐えうる画質であることが分かった。対象症例について、外表写真の撮影(4方向)を終了した。これはプロジェクト終了時にデータベースを公開することを目的としている。主要器官として、肝臓、脳神経管、脳室、胃を選択しての発生段階の定量、可視化を行った。肝臓の発生及び周辺器官との関係を詳細に表すことができた。脳室では、幾何学的図形への近似を行い、形態学的な変化を抽象化した。第3,第4脳室周囲において、脳実質の立体化を行った。より詳細な情報が必要な個体については、位相差CTを用いた撮像を開始した。また、3次元プリンターを用いて立体モデルを作成した。また、解剖学的位置が立体座標で示せるというMRdataの特性を生かし、発生時の主要器官の形態形成と造形運動の数値化を試みた。内耳、外耳の動き、顔面形成、胃、消化管の下降、回転についてその動きを解析した。これらのデータは、妊娠初期の胎児診断における重要な基礎的データとなると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
すでに肝臓、脳神経管、耳の移動に関してデータを英語論文としてまとめ、発表できた。また、肝臓については、異常個体の選別ができた。
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今後の研究の推進方策 |
選別個体を中心に、より高解像度の胚子撮像をこころみる。また疫学データや胚子の外表観察や個体識別に役立つ外表写真や観察内容を含めた総合的データベースを構築したいと考えている。さらに、3次元データを分かりやすく表現し説明する方法としてコンピュータグラフィックスだけでなく3次元プリンターを使用したいと考えている。
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