研究課題/領域番号 |
22591201
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
日下 隆 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50274288)
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研究分担者 |
西田 智子 香川大学, 教育学部, 教授 (00243759)
安田 真之 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00380155)
三木 崇範 香川大学, 医学部, 准教授 (30274294)
岩瀬 孝志 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (30284368)
上野 正樹 香川大学, 医学部, 准教授 (30322267)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 新生児 / 低酸素性虚血性脳症 / 脳波 / 脳血液量 / 新生児仮死 / 近赤外光 / 新生仔豚 / 低酸素虚血負荷 |
研究概要 |
低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する軽度低体温療法後の予後良好率は依然50%程度であり、更なる予後改善の検討が必要であり、このための中型動物を用いての基礎研究は重要である。本研究課題では、長期生存可能な新生仔HIEモデルとして、脳循環を指標とする負荷方法を開発し、人工呼吸器から離脱させて負荷後5日まで観察可能とした (Nakamura et al., Brain Dev, 2012)。その検討により、背景脳波と発作波頻度によるaEEGスコアと蘇生後5日での脳病理組織スコアを検討し、蘇生後1時間、3時間、6時間後の全てで両者の相関を認めた。特に蘇生後1時間での相関は強く、aEEGスコアが良好な群の組織学的ダメージは軽微であった。一方、3時間、6時間後にaEEGスコアが改善しても組織学的変化が大きい場合もあり、aEEGに加えて脳血液量等を同時に評価する必要性が示唆された。また蘇生後6時間までの脳波低振幅継続時間と脳血液量増加との間には正の相関を認め、低振幅期間が長く血液量増加が大きい程、予後不良であることを見出した。つまり生後早期の脳波が低振幅であっても、脳血液量増加が少なければ脳障害の程度は小さく、治療効果が十分に期待出来ると考えられた。さらに本モデルを用い、エダラボン(フリーラジカル消去剤)の蘇生後早期投与(3mg/kg, 1日2回,3日間)の効果を、負荷後5日で検討した結果、大脳灰白質と海馬の組織障害が軽減される事実が確認され、HIEにおける脳神経障害がそのフリーラジカル消去と抗酸化作用により軽減される可能性が病理組織学的に示された。 今後は予後良好群と不良群を精度良く検出し、遅発性脳内エネルギー代謝障害を防御する低体温療法と他の治療(エダラボンや水素ガス吸入)との組み合わせで、より効果的な治療効果が期待できるか検討予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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