研究課題/領域番号 |
22591202
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
西田 智子 香川大学, 教育学部, 教授 (00243759)
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研究分担者 |
日下 隆 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (50274288)
安田 真之 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00380155)
伊地知 園子 香川大学, 医学部, 助教 (70437680)
小西 行彦 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60528157)
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キーワード | 早産児 / 嗅覚 / 味覚 / 多チャンネル近赤外光イメージング / 母乳 / NIRS |
研究概要 |
本研究の課題は早産児、正期産児の嗅覚、味覚の大脳皮質レベルの発達的機能変化を検討することである。ベットサイドで多チャンネル近赤外光イメージング(日立製作所社製)を利用した未熟児・新生児期から成人まで使用可能な簡便な嗅覚刺激方法の確立のため、母乳や他の匂いの種類や強度を変えて計測を行い、刺激方法を確立することである。方法:早産児、正期産新生児の前額部にプローベを置いて測定した。プローベは投光受光部間距離を1cmとし、弾力性の布で固定した。対象は脳障害を認めない生後4日目前後の正期産新生児、満期前後に達した早産児とし、保護者に同意を得て行った。刺激方法は、母乳と温めたミルクを綿棒の先に付けて対象児の鼻の穴の1cmくらいのところで手で持って固定して行った。30秒の安静期のあと匂いの刺激30秒、回復期60秒で母乳、ミルク、他人の母乳を試し、蒸留水をコントロールとして行った。結果及び考察:匂い刺激は慣れが著明であり、初回の反応は良好であったが、2回目以降の繰り返し刺激では反応が著明に小さくなった。刺激持続時間を変化させその反応の変化を見たが、30秒の刺激で反応できおり、適当であると考えられた。今年度は早産児、正期産児において測定の症例を増やした。正期産児のべ9例、早産児早産児25例施行し、データとして撮れたもの全部で19例においてその反応時間の傾向を検討した。その結果、正期産児では母乳は生後日齢が早いものほど反応は早く、ミルクや他人の母乳に対しては生後日齢が経ったものほど早くなった。これに対して早産児では母乳、ミルク共に生後日齢が経ったものほど反応は早く、他人の母乳に対しては一定の傾向は見られなかった。次年度は今年度の方法を基に、さらにデータを増やすとともに、味覚についても母乳、ミルクを用いて測定していく予定である。また、これまでのデータ処理、統計処理を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
早産児、正期産児での測定が、出産、コット出し、授乳や医療検査のタイミングなどにより、予定通りにはなかなか測定できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
まだ症例を増やす必要があるが、出産などについては予定が立たないこと、測定のタイミングが合わないなどの問題があるが、その場合には同症例において経時的に測定して数を増やしたいと考えている。
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