研究課題/領域番号 |
22591211
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
荻原 享 大阪医科大学, 医学部, 講師 (00211128)
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研究分担者 |
大植 慎也 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40399085)
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キーワード | 新生児慢性肺疾患 / グルタチオン / レドックス / 酸化還元電位 / アスコルビン酸 / 尿酸 |
研究概要 |
新生児慢性肺疾患(CLD)は、早産児たちの、将来の呼吸機能や、発達予後を左右する重篤な疾患である。我々は、胎内炎症に起因する重症例では、肺胞内外のレドックス環境が破綻し、出生後の、酸素などの傷害因子に対する感受性が高まっているのではないかと考え、実際の臨床検体を用いて、その証拠を得んがため、今回の研究を計画した。対象は、在胎32週未満の気管内挿管患児で、生後1週間以内、生後1か月、および修正32週以降の、少なくとも3ポイントで、臨床的に必要不可欠な、気管内洗浄時に生じる余剰検体を、気管支肺胞洗浄液 (bronchoalveolar lavage fluid, BALF) のサンプルとして用いた。当初は、HPLC-ECD(電気化学検出器)法による還元型グルタチオン / 酸化型グルタチオン (GSH/GSSG) 測定に加えて、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)法によるシステイン / シスチン測定も含める予定であったが、実際のBALFでは測定困難であったため計画を変更し、グルタチオンと同様に、BALF中の水溶性抗酸化物質として重要な、アスコルビン酸と尿酸の、それぞれの酸化型と還元型の測定を行うこととした。アスコルビン酸、尿酸およびアスコルビン酸の酸化体であるデヒドロアスコルビン酸の測定は、HPLC-ECDで、また、尿酸の酸化体であるアラントインはGC/MSで測定することとし、今回の繰越期間に、測定条件等の基礎的検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、HPLC-ECD(電気化学検出器)法による還元型グルタチオン / 酸化型グルタチオン (GSH/GSSG) 測定に加えて、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)法によるシステイン / シスチン測定も含める予定であったが、authentic stabdardでは問題なかったが、実際のBALFでは測定困難であった。おそらく、生体内、特に、排泄された体液中では、システインは極めて不安定なためと思われる。最終手段は、LC-MS-MSであるが、本学では使えないため、断念した。
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今後の研究の推進方策 |
ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)法によるシステイン / シスチン測定は、BALF中では困難であったため、計画を変更し、グルタチオンと同様に、BALF中の水溶性抗酸化物質として重要な、アスコルビン酸と尿酸の、それぞれの酸化型と還元型の測定を行うこととした。
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