研究課題/領域番号 |
22591221
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
船坂 陽子 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30209150)
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キーワード | 悪性黒色腫 / 発癌 / メラニン / 紫外線 / DNA損傷 |
研究概要 |
Triple transgenic mouse(NSE-tTA/TRE-mGluR1/K14-SCF Tgマウス)でユーメラニン含有マウスとフェオメラニン含有マウスを作成し、UVBを生後3-5日めに1J/cm2照射し、4週後には親から離してDoxy offとしてmGluRの発現を誘導した状態で3回/週にUVBもしくはUVAを照射、もしくは生後3-5日目にUVAを14J/cm2照射し、4週後からUVBもしくはUVAを照射したところ、UVAのみの照射では黒色腫のtumor progressionがみられなかったが、UVBを照射するとtumor progressionがみられることが判明した。従来言われてきたフェオメラニンがUVA照射により酸化ストレスを誘導することによる黒色腫形成の促進という仮説は、我々のマウスでは否定的な結果であった。さらにXPKOマウスと交配した場合、腫瘍の形成開始期間が短縮することが判明した。すなわち、melanoma形成において14J/cm2のUVA照射はinitiatorおよびpromoterとして作用せず、ユーメラニン含有マウス、フェオメラニン含有マウスの両者において黒色腫の形成を促進することはない。一方UVBがtumor initiatorかつtumor promoterとして働き、さらにDNA損傷がtumor initiatorとしての引き金として重要な働きを示すことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来報告されてきたUVA14J/cm2照射では、ユーメラニンおよびフェオメラニン含有マウスともに黒色腫の誘導がないことが判明した。UVB照射かつ、DNA損傷が黒色腫のinitiatorとして作用することがわかり、紫外線発癌としての黒色腫形成機序の一旦を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
Melanomaの紫外線発癌にUVAでなくUVBが重要であること、DNA損傷が引き金となることが判明した。さらに、DNA損傷の種類、度合いについて、またUVBとメラニンの関与についても明らかにして行く方針である。
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