研究課題/領域番号 |
22591223
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
武藤 正彦 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40175625)
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研究分担者 |
一宮 誠 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20314809)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 乾癬 / 原因遺伝子 / 遺伝子ネットワーク / IL-36RN遺伝子 / CCHCR1遺伝子 / HLA遺伝子 |
研究概要 |
乾癬の発症に寄与する遺伝的制御機構を明らかにするために、最終年度において以下の研究成果を達成することができた。 1.好中球の乾癬表皮内遊走に重要なサイトカインであるIL-8の制御に関与しているIL-36の機能を抑制するIL-36RNの遺伝子解析結果から、IL-36RN遺伝子の変異の有無を調べることが病型診断(汎発性膿疱性乾癬と尋常性乾癬)にあたり、極めて重要であることが判明した(論文投稿中)。今後、本遺伝子を組入れた遺伝子診断ツールの開発に着手する予定である。 2.乾癬原因候補遺伝子領域PSORS1の中核遺伝子とされるHLA-Cw*06を軸とした遺伝学的解析を重視した研究戦略を採るべきであるとの考えに立ち、以下の結果を得ることができた。 (1)表皮の分化誘導に係るCCHCR1遺伝子の多型解析をさらに進めたが、HLA-Cw*06と強い連鎖不平衡を形成するCCHCR1*-WWCCハプロタイプ以外に有意なズレを示す遺伝子多型は観察されなかった。以上より、HLA-Cw*06-CCHCR1*WWCCが唯一の乾癬のハイリスクハプロタイプであると同定された。現在、同リスクハプロタイプの生物学的機能解析を行うため、ヒト培養細胞を用いたトランスフェクションの手技を活用し、野生型とリスクハプロタイプ間でのビタミンDレセプターの発現能の比較検討を行うための実験モデルを確立した。 (2)皮膚バリア機能が破綻している乾癬表皮の菌叢解析を次世代シークエンサーを用いて行った結果、乾癬病巣部表皮にはマラセチア属(M.restricta他2種類のマラセチア)が非病変部に比べ、有意に増殖していた(論文投稿予定)。今後in vitroでの実験からマラセチア菌由来成分が乾癬の発症に必要なTh17およびTh1細胞を賦活化ができることが証明できれば、これまでにない新規の乾癬治療薬の開発への道を拓くことが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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