研究課題/領域番号 |
22591226
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
中島 英貴 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (70314995)
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研究分担者 |
中島 喜美子 高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (20403892)
志賀 建夫 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (70444768)
佐野 栄紀 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (80273621)
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キーワード | 乾癬 / ケマリン / レプチン |
研究概要 |
新規アディポカインであるケマリンは、乾癬患者血清では高値であるが、ヒトの乾癬病変部では非病変部に比較して、免疫染色法による蛋白およびRT-PCTによるmRNAの発現を調べてみるといずれにおいても発現が低下していた。またヒト乾癬病変部におけるケマリンの発現は、正常ヒト表皮に比較しても低下していた。しかし乾癬モデルであるK5.Stat3Cマウスにおいて、ケマリンの発現を免疫染色法およびRT-PCTで検討したところ病変誘導期において発現が高まり、病変完成に伴い発現が消失することから、乾癬病変の初期にケマリンが関与している可能性が示された。ケマリンは、乾癬病変部真皮への形質細胞様樹状細胞plasmacytoid dendritic cell (pDC)と好中球の浸潤に関与していることが推測される。乾癬モデルのK5.Stat3Cマウスにおいて、皮膚病変発現前後の血清ケマリン値を検討したが、変化はみられなかった。乾癬における血清ケマリン高値は、皮膚から産生されるケマリンではなくて肝臓などの臓器もしくは内臓脂肪に由来する可能性が考えられる。 治療による皮疹の改善とともに、乾癬患者の血清ケマリン値は低下傾向を示したが、血清レプチン値は変化を示さなかったことら、血清ケマリン値の変動は治療効果を反映すると考えられる。 乾癬モデルのK5.Stat3Cマウスに高脂肪食を与えて肥満マウスを作成したが、乾癬病変の発症の早期化は見られなかったことから、乾癬の病態において肥満が及ぼす影響は限定的なものである可能性が示唆される。
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