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2011 年度 実績報告書

網羅的遺伝子解析による接触皮膚炎の診断バイオマーカー探索と診断技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22591233
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

矢上 晶子  藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (90367699)

研究分担者 斎藤 博久  国立成育医療センター(研究所), 副所長 (40130166)
松永 佳世子  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80131192)
大保木 啓介  国立成育医療センター(研究所), 免疫アレルギー研究部, 研究員 (80415108)
林 宣宏  東京工業大学, 生命理工学部, 准教授 (80267955)
キーワードアレルギー性接触皮膚炎 / p-Phenylenediamine / 毛根組織サンプル / マイクロアレイ解析
研究概要

今回我々は染毛剤であるp-Phenylenediamine; PPDによる接触皮膚炎患者について、頭皮に炎症を起こした群とその他の部位(主に手)に炎症を起こした群に分けて、(1)炎症沈静後に採取した毛根サンプル、(2)炎症沈静後に採血・分離した末梢血単核球におけるPPD添加に対する遺伝子発現変化の解析を行った。
方法:1)毛根サンプルから抽出したtotalRNAを用いて、オリゴヌクレオチドマイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現変化を、健常コントロール群に加えて同じ炎症性疾患であるアトピー性皮膚炎患者、および尋常性乾癬患者を対照として解析した。またその結果を一部定量的PCRにて検証した。
2)分離した末梢血単核球に対してPPDを加えた場合と加えなかった場合における24時間後の遺伝子発現変化について、オリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて解析した。またその結果を定量的PCRにて検証した。
結果:1)マイクロアレイ解析では健常コントロール群、アトピー性皮膚炎群、尋常性乾癬群と比較してPPD接触皮膚炎群(特に頭皮に炎症のある群)ではTh1細胞遊走性ケモカインであるCXCL9,10,11や接触因子のVCAMなどの遺伝子発現が増強しており(エクセルファイルー学会用GCシグナルデータ参照)、そのうちCXCL10の遺伝子発現増強をリアルタイムPCRで定量的に確認した。2)健常コントロール群と比較してPPD接触皮膚炎群では、PPDの添加がない状態でも、マイクロアレイ解析ではCD80,CD86,DC-SIGN等の抑制性T細胞誘導因子が低下していた(エクセルファイル-PBMC PPD arraydata参照)。またその結果をリアルタイムPCRで定量的に確認したエクセルファイル-122410realtimePCR参照)。考察:毛根組織においては炎症沈静後しばらく経過してもTh1型の炎症が存在していることが判明し、これまでに報告されている接触皮膚炎の系統と良く合致しており、病態は空くに対する毛根組織の有用性が示唆された。末梢血単核球についてはCD80,CD86,DC-SIGN等の抑制性T細胞誘導因子が低下していたがこれらはPPDの添加の有無にかかわらず認められるものであった。従って炎症の結果というよりは、抑制性T細胞誘導因子の低下自体が接触皮膚炎の発症に関与する可能性が示唆されたが、病態の解明には更なる検討が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に従い研究をすすめデータも得られているが、病態の解明には更なる検討が必要である。

今後の研究の推進方策

今後は、サンプル数を増やし、同様の検討を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 香粧品パッチテスト2009年のまとめPatch test results of cosmetics and related allergens in 20092011

    • 著者名/発表者名
      西村景子、矢上晶子, 他
    • 学会等名
      日本香粧品学会
    • 発表場所
      東京(招待講演)
    • 年月日
      20110600

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公開日: 2013-06-26  

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