研究課題
K5.Stat3C_IL-17A-/-_IL-22-/-マウスにTPAを4週間反復投与した結果、K5.Stat3C_IL23p19-/-ほどの皮疹形成の減弱が見られなかった。すなわちこれは、IL-23によって制御されるIL-17AおよびIL-22とは別の因子が皮疹形成に関わることを示唆する。その候補因子としてあげられるのがIL-17Fである。TPAを2回塗布した皮膚で検討すると、K5.Stat3C_IL23p19-/-ではIL-17A、IL-17F共に遺伝子発現が減少するが、K5.Stat3C_IL-17A-/-_IL-22-/-ではIL-17Fの減少は見られなかった。IL-17FはIL-17Aと共通のIL-17レセプターに結合するため、IL-17Aの欠損はIL-17Fにより代償される可能性がある。このIL-17Fの代償機能を確認するためには以下のような方法が考えられる。K5Stat3C_IL-22-/-マウスに①IL-17AおよびIL-17F遺伝子発現を欠損させる(Triple knock-out)、②IL-17AおよびIL-17Fそれぞれの中和抗体を同時に用いてその作用を減弱させる、あるいは③IL-17レセプターに対する抗体を用いてリガンド-抗体結合を阻害する。しかしながら、今年度中に上記の材料を手に入れることができず、研究を施行することができなかった。また、別の候補として、IL-22と同一ファミリーに属するIL-19、IL-20、IL-24があげられる。これらの遺伝子発現は対照と比較して、K5.Stat3C_IL23p19-/-マウス皮膚において減少していた。その一方、K5.Stat3C_IL-17A-/-_IL-22-/-マウスでは対照と同等だった。これらのサイトカインはIL-22同様に表皮肥厚を誘導する作用があることから、その有無が皮疹形成に影響したと考えられる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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