神経活動依存性のタンパク質翻訳に関わる分子、TrkBおよびribosomal protein S6(rpS6)のリン酸化は、神経可塑性や学習記憶に関与する。我々はラット側坐核において、TrkBの記憶の統合と獲得にそれぞれ特異的に関与するリン酸化部位、ならびにrpS6でmTOR依存性および非依存性に活性化される2つのリン酸化部位に注目し、対照群と慢性コカイン投与群で、急性コカイン後にそれぞれ異なった活性化が起きることを確認した。動物のコカイン依存行動を正常化するN-アセチルシスティンは、TrkB-mTOR系のリン酸化に影響しなかった。
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